Japanische Klassiker mit Furigana
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へいぼん
平凡・私は懐疑派だ
二葉亭 四迷
Lesen Sie 平凡・私は懐疑派だ (へいぼん) von 二葉亭 四迷 (ふたばていしめい) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 81.548 Zeichen · 161 Bildschirme
此隙に私は母と談判を始めて、今晩一晩泊めて遣ってと、雪洞を持った手に振垂る。母は一寸渋ったが、もう斯うなっては仕方がない。阿爺さんに叱られるけれど、と言いながら、詰り桟俵法師を捜して来て、履脱の隅に敷いて遣った――は好かったが、其晩一晩啼通されて、私は些とも知らなんだが、お蔭で母は父に小言を言われたそうな。
十三
犬嫌の父は泊めた其夜を啼明されると、うんざりして了って、翌日は是非逐出すと言出したから、私は小狗を抱いて逃廻って、如何しても放さなかった。父は困った顔をしていたが、併し其も一時の事で、其中に小狗も独寝に慣れて、夜も啼かなくなる。と、逐出す筈の者に、如何しかポチという名まで附いて、姿が見えぬと父までが一緒に捜すようになって了った。
父が斯うなったのも、無論ポチを愛したからではない。唯私に覊されたのだ。私とてもポチを手放し得なかったのは、強ちポチを愛したからではない。愛する愛さんは扨置いて、私は唯可哀そうだったのだ。親の乳房に縋っている所を、無理に無慈悲な人間の手に引離されて、暗い浮世へ突放された犬の子の運命が、子供心にも如何にも果敢なく情けないように思われて、手放すに忍びなかったのだ。