Japanisch lesen

Japanische Klassiker mit Furigana

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へいぼん

平凡・私は懐疑派だ

二葉亭 四迷

Lesen Sie 平凡・私は懐疑派だ (へいぼん) von 二葉亭 四迷 (ふたばていしめい) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 81.548 Zeichen · 161 Bildschirme

Aozora Bunko

といった。内でも赤飯を焚いて、お目出度いお目出度いと親達が右左から私を煽がぬ許りにして呉れた。してみれば、矢張名誉でお目出度いのに違いないと思って、私も大に得意になっていた。

二十三

中学も卒業した。さて今後は如何するという愈胸の轟く問題になった。

まだ中学に居る頃からの宿題で、寐ても寤めても是ばかりは忘れる暇もなかったのだが、中学を卒業してもまだ極らずに居たのだ。

極らぬのは私ではない。私は疾うに極めていた、無論東京へ行くと。

東京は如何な処だか人の噂に聞く許で能くは知らなかったが、私も地方育ちの青年だから、誰も皆思うように、東京へ出て何処かの学校へ入りさえすれば、黙っていても自然と運が向いて来て、或は海外留学を命ぜられるようになるかも知れぬ。若し然うなったら……と目を開いて夢を見ていたのも昨日や今日の事でないから、何でも角でも東京へ出たいのだが、さて困った事には、珍しくもない話だけれど、金の出処がない。

父は其頃県庁の小吏であった。薄給でかつがつ一家を支えていたので、月給だけでは私を中学へ入れる事すら覚束なかったのだが、幸い親譲りの地所が少々と小さな貸家が二軒あったので、其上りで如何にか斯うにか糊塗なっていたのだ。