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Japanische Klassiker mit Furigana

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へいぼん

平凡・私は懐疑派だ

二葉亭 四迷

Lesen Sie 平凡・私は懐疑派だ (へいぼん) von 二葉亭 四迷 (ふたばていしめい) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 81.548 Zeichen · 161 Bildschirme

Aozora Bunko

二十四

愈出発の当日となった。待ちに待った其日ではあるけれど、今となっては如何やら一日位は延ばしても好いような心持になっている中に、支度はズンズン出来て、さて改まって父母と別れの杯の真似事をした時には、何だか急に胸が一杯になって不覚ホロリとした。母は固より泣いた、快活な父すら目出度い目出度いと言いながら、頻に咳をして涕を拭んでいた。

誂えの俥が来る。性急の父が先ず狼狽て出して、座敷中を彷徨しながら、ソレ、風呂敷包を忘れるな、行李は好いか、小さい方だぞ、コココ蝙蝠傘は己が持ってッてやる、と固より見送って呉れる筈なので、自分も一台の俥に乗りながら、何は載ったか、何は……ソレ、あの、何よ……と、焦心る程尚お想出せないで、何やら分らぬ手真似をして独り無上に車上で騒ぐ。

母も門口まで送って出た。愈俥が出ようとする時、母は悲しそうに凝と私の面を視て、「じゃ、お前ねえ、カカ身体を……」とまでは言い得たが、後が言えないで、涙になった。

私は故意と附元気の高声で、「御機嫌よう!」と一礼すると、俥が出たから、其儘正面になって了ったが何だか後髪を引かれるようで、俥が横町を出離れる時、一寸後を振向いて見たら、母はまだ門前に悄然と立っていた。