Japanisch lesen

Japanische Klassiker mit Furigana

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へいぼん

平凡・私は懐疑派だ

二葉亭 四迷

Lesen Sie 平凡・私は懐疑派だ (へいぼん) von 二葉亭 四迷 (ふたばていしめい) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 81.548 Zeichen · 161 Bildschirme

Aozora Bunko

道々も故意と平気な顔をして、往来を眺めながら、勉て心を紛らしている中に、馴染の町を幾つも過ぎて俥が停車場へ着いた。

まだ発車には余程間があるのに、もう場内は一杯の人で、雑然と騒がしいので、父が又狼狽て出す。親しい友の誰彼も見送りに来て呉れた。其面を見ると、私は急に元気づいて、例になく壮に饒舌った。何だか皆が私の挙動に注目しているように思われてならなかった。無論友達は家で立際に私の泣いたことを知る筈はないから……

軈て発車の時刻になって、汽車に乗込む。手持無沙汰な落着かぬ数分も過ぎて、汽笛が鳴る。私が窓から首を出して挨拶をする時、汽車は動出して、父の眼をしょぼつかせた顔がチラリとして直ぐ後になる、見えなくなる。もうプラットフォームを出離れて、白ペンキの低い柵が走る、其向うの後向きの二階家が走る、平屋が走る。片側町になって、人や車が後へ走るのが可笑しいと、其を見ている中に、眼界が忽ち豁然と明くなって、田圃になった。眼を放って見渡すと、城下の町の一角が屋根は黒く、壁は白く、雑然と塊まって見える向うに、生れて以来十九年の間、毎日仰ぎ瞻たお城の天守が遙に森の中に聳えている。