Japanisch lesen

Japanische Klassiker mit Furigana

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へいぼん

平凡・私は懐疑派だ

二葉亭 四迷

Lesen Sie 平凡・私は懐疑派だ (へいぼん) von 二葉亭 四迷 (ふたばていしめい) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 81.548 Zeichen · 161 Bildschirme

Aozora Bunko

祖母に強求る、一寸渋る、首玉へ噛り付いて、ようようと二三度鼻声で甘垂れる、と、もう祖母は海鼠の様になって、お由――母の名だ――彼様に言うもんだから、買って来てお遣りよ、という。祖母の声掛りだから、母も不承々々起って、雨降でも私の口のお使に番傘傾げて出懸けようとする。斯うなると、流石の父も最う笑ってばかりは居られなくなって、小言をいう。私が泣く、祖母の機嫌が悪い。

「此様小さい者を其様に苛めて育てて、若しか俊坊の様な事にでもなったら、如何おしだ? 可哀そうじゃないか。」

というのが口切で、ボツリボツリと始める。俊坊というのは私の兄で、私も虚弱だったが、矢張虚弱で、六ツの時偸られたのだそうだ。それも急性胃加答児で偸られたのだと云うから、事に寄ると祖母が可愛がりごかしに口を慎ませなかった祟かも知れぬ。併し虚弱な児は大食させ付ると達者になると言われて、然うかなと思う程の父だから、祖母の矛盾には気が附かない。矢張有触れた然う我儘をさせ付けては位の所で切脱けようとする。祖母も其は然う思わぬでもないから、内々自分が無理だと思うだけに激する、言葉が荒くなる。もう此上憤らせると、又三日も物を言わなかった挙句、ぷいと家を出て在の親類へ行った切帰らぬという騒も起りかねまじい景色なので、父は黙って了う。