Japanische Klassiker mit Furigana
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ひらがげんないとりものちょう
平賀源内捕物帳
久生 十蘭
Lesen Sie 平賀源内捕物帳 (ひらがげんないとりものちょう) von 久生 十蘭 (ひさおじゅうらん) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 19.159 Zeichen · 39 Bildschirme
「無学な徒と応対していると世話がやけてやり切れない。それくらいのことがわからんでよく御用聞が勤まるな。……言うまでもない、それは、趾をみな縛りつけ、その先に剃刀の刃でも結いつけてあるのさ。趾を縛っておけば、途中で棲れないから、襲撃をすませると真直に自分の家まで帰ってくるほかはない。つまり、一挙両得というわけだ」
「すると、あの抉れたような痕は」
「それは、短い外趾の端が触れた痕だ」
「何のためにそんな手の込んだことを」
源内先生、閉口して、
「いや、諄い男だ。……こないだ路考が言葉尻を濁したが、わしの察するところでは、年に一度、十年がけの手紙というのを欝陶しがって、無情ないことを言ってやったものと見える。その辺の消息は、一瓢がうすうす知っていて、帰りがけにわしにそんな風なことを囁いた。……つまり、この辺が落なのさ。年に一度の便りに深い思いを晴らしておるのに、それだけのことにまですげないことを言われたとなると、どっちみちおさまりかねる気持になる。いわんや、あのような濃情無比なお姫さまだからただではすまさない。路考が十年前に逢った時、二十八、九といえば、今はもう四十がらみ。