Japanische Klassiker mit Furigana
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こうふくにくらしたふたり
幸福に暮らした二人
小川 未明
Lesen Sie 幸福に暮らした二人 (こうふくにくらしたふたり) von 小川 未明 (おがわみめい) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 5.713 Zeichen · 12 Bildschirme
二人は、ただこうして街の光景をながめただけでありました。そして、ふたたびこの港から離れてしまって、航海がつづけられたのであります。船は、南へ、南へとゆきました。
この二人は、村にいるときから仲がよくて、ちょうど兄弟のように思われたのでありますが、ひとたび難船をして、もう助からないものと思ったのが、救われましてからは、二人の仲は、いっそう親密になりました。船の中でも、二人は、おじいさんからもらった銀貨を出して、かわるがわるそれを掌の上にのせては、額を合わせてのぞきながら、
「これは、二人の仲間のものだ。」といっていました。銀貨には偉そうな人間の顔が描かれていました。二人は、それが貨幣であって、それと同じものが、数えることのできないほどたくさんにあって、世界の文明がゆきわたっている国々に流通しているということなどは知りませんでした。だから、「なんにするのだろう?」と思ってしまいました。もとより言葉も通じませんから、船の人々と話をするというようなこともありませんでした。
「偉い人が、これを胸につけるのだろう。」と、年上の甲のほうがいいました。
「それにちがいない。