Japanische Klassiker mit Furigana
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げんじゅつてんまたろう
幻術天魔太郎
野村 胡堂
Lesen Sie 幻術天魔太郎 (げんじゅつてんまたろう) von 野村 胡堂 (のむらこどう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 45.616 Zeichen · 90 Bildschirme
「さア、こい。こんどは投げ太刀ではいかぬぞ」
猫間犬丸は、はやくも天魔太郎の飛龍剣を警戒して、一刀をわきがまえに、平身になってヒタヒタとつめよるのです。
「おうッ」
天魔太郎、こんどは飛龍剣ではいかぬと見たか、すなおに一刀を引きぬき、青眼にかまえてそれをむかえます。
「ゆくぞ、それッ」
猫間犬丸は、大地をけって、ほんとうにネコのようにとびあがりました。天魔太郎のまっこうへ、よけもかわしもならぬひと太刀。
「おうッ」
と見ると、太郎は一刀を頭上たかくかざして、このふしぎな襲撃にそなえます。
二合、三合、五合とはてしもなく、はげしいあらそいがつづきました。さいごには二条の太刀がヘビのようにからみ合ったまま、火のでるようなはげしいツバぜりあい、太郎はおされて五、六歩、ジリジリとさがったとみるや、
「あ、あッ」
にわかにふたりのふんでいる大地が陥没して、太郎と犬丸、いのちをかけて切りむすんだまま、底もしれぬまっくらな穴の中へ、またたく間におちこんでしまったのです。
「どうした、どうした」
検視の役人、竹矢来のそとの大群衆、いちどにドッと矢来の中にさっとうしましたが、のこるのは芝生のまんなかにひらいたおおきな穴だけ。