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Japanische Klassiker mit Furigana

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げんじゅつてんまたろう

幻術天魔太郎

野村 胡堂

Lesen Sie 幻術天魔太郎 (げんじゅつてんまたろう) von 野村 胡堂 (のむらこどう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 45.616 Zeichen · 90 Bildschirme

Aozora Bunko

家光が三人

そのあとにつづいて家光のかごはくずれた供ぞろいをととのえながら、しずしずと橋をわたりきってしまいました。

七十九歳の老武士、大久保彦左ヱ門の勇気と機知で、その場はぶじにすみましたが、このさき、またどんなことがあるかもしれず、大事をとって、陽のたかいうちに、粕壁の本陣、見川安右ヱ門に、家光の乗物をつけさせました。

いっぽう、天魔太郎、千住の大橋では家光をのがしましたが、もとより、これっきりであきらめるはずもなく、あらたに仲間にくわわった猫間犬丸の塙三郎丸や、妹の月子と智恵をしぼって相談をしております。

家光が三人

粕壁の本陣見川安右ヱ門は、将軍家光がきゅうにきたので、しばらくは大へんな混雑でしたが、それでもなれたことでほかの客をぜんぶ立ちのかせ、大急ぎのしたくをととのえて、どうやらこのご社参の大行列、何百人をうけいれました。

それで一応はホッとしましたが、その晩家光に夕食の膳をすすめたお食事がかりのお小姓がふたり、老中松平伊豆守のところへ、顔色をかえてとんできました。

「大へんッ、大へんでございますッ」

「なにごとじゃ、あわただしい」

伊豆守はおちつきはらってふりかえりましたが、さて、わけをきくと伊豆守もおどろかないわけにまいりません。