Japanische Klassiker mit Furigana
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ゆうれいぶね
幽霊船
小川 未明
Lesen Sie 幽霊船 (ゆうれいぶね) von 小川 未明 (おがわみめい) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 3.633 Zeichen · 8 Bildschirme
しかし、この白い、光る、氷の上には、生きているものの影はまったく見えなかったのです。
ただ、いつのことであったか、こうした氷山が、岸に近づいてきましたときに、人々は、なんだか黒い小さなものが、氷の上に落ちているのを見ました。
「黒い鳥だろうか?」
「鳥なもんか、海馬か、オットセイだろう。」
岸に立って、沖の方を見ている人々は、いいました。
しかし、それが、近づいたときには、大きなくまであることがわかりました。くまはどうかして、陸に上がりたいと、あせっているようでした。きっと、海の上が真っ白に凍ったとき、くまは氷山の上まで遊びに出たのです。そのうちに、氷山が動きだして、陸との間が離れて、もうふたたび陸の方へ帰れなくなってしまったのでしょう。みんなは、くまが、陸へ上がってきてはたいへんだと思いました。どんなに、暴れまわるかしれないからです。
「おい、みんな気をつけたがいい、くまをこちらに渡してはたいへんだ。」と、口々にいいました。
それで、鉄砲を持ってきたり、槍などを持ってきたりしました。しかし、それまでに、氷山は陸の方へは近づかずに、ふたたび沖の方へと流れていってしまいました。