Japanische Klassiker mit Furigana
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いくどめかのさいご
幾度目かの最期
久坂 葉子
Lesen Sie 幾度目かの最期 (いくどめかのさいご) von 久坂 葉子 (くさかようこ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 59.103 Zeichen · 121 Bildschirme
今晩もう一度、この手紙をよくよんでみる。彼は小声で私に云いました。だけど、私は、もう二度と会えない気がしたのです。だから、彼の後を追ってプラットへあがりました。彼は、私に、京都へ来ないかと云いました。優しく彼は云ったのです。私はすぐにゆくと云いました。ところが、ものすごくとめたのが青白き大佐なんです。小母様。私は、鉄路のほとりと握手をしました。涙がこぼれそうでした。別のプラットへあがって、京都行の電車が出てゆくのをじっとみていました。若しや彼は、電車にのらなかったのじゃないか、などとも思いました。彼は帰ったのです。電車の後尾灯は、遠くみえなくなりました。こんなことは、まるで三文小説みたいに、陳腐なこと。でも、私、ほんとにもう会えないんだ。と自分の心で決めてしまっていたものですから、随分たまらなかったのよ。その夜、家へ帰って、寝床にはいった頃、鉄路のほとりから電話をもらいました。行動とは、今晩かというのです。私の母は目をさましてますし、電話は家の中央なのです。私は、いいえと云いました。そう、じゃおやすみ、彼はそう云いました。私もおやすみなさい。と云って、いやまだ何か二言三言しゃべったようですが、受話器をおろしたのです。