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Japanische Klassiker mit Furigana

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いくどめかのさいご

幾度目かの最期

久坂 葉子

Lesen Sie 幾度目かの最期 (いくどめかのさいご) von 久坂 葉子 (くさかようこ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 59.103 Zeichen · 121 Bildschirme

Aozora Bunko

それから、真珠のネックレスと、ダイヤやルビーをちりばめた指輪。風呂敷づつみには、ペンと原稿用紙、というのは、その朝、急に書き度くなって十枚ばかりばりばり、芝居のものを書きかけたのです。いちばんはじめに書いた、鋏と布と型、の原稿です。それを途中で筆をおき、三時迄の余暇に、喫茶店で書きあげてしまおうと思っていたのです。さて、風呂敷の中は、青白き大佐から借りていた本二三冊、それは建築の本でした。彼が家をたてるというので、私は、そのデザインをまかされていたのです。いずれ、二人で住むかも知れない家だったかも知れません。それと封筒の中に、契約証と破約の短い文章。これは前にかきました。それ等がはいっておりました。私は、宝石屋へまず寄りました。最初の家で、両方とも三千五百円だと云われたのです。一万円は大丈夫だと思ってたのですから、がっかりしました。次の店で三千円。その次の店では、何と二千円。私は売る気がしなくなりました。品物に対する愛着はまったくないのです。しかし、引換の金額はあまりにも少い。黒部迄ゆく旅費と、若し汽車の都合で、待ったりして、その滞在費がいるわけです。