Japanische Klassiker mit Furigana
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いくどめかのさいご
幾度目かの最期
久坂 葉子
Lesen Sie 幾度目かの最期 (いくどめかのさいご) von 久坂 葉子 (くさかようこ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 59.103 Zeichen · 121 Bildschirme
女は品物の二つ三つを棚から取り出して机の上で静かにめでた。磁州の皿を女は何度もなでた。支那の小刀の鞘をはらって、しばらくその刃に面をうつしていた。女は主人に云った。
「この小刀、よく此処へ御みえになる白髪の方に御渡し下さいませ、この手紙と」
女は代価を支払った。主人はおかしな顔付で女をみていた。女は朗かに笑うと、角封筒を机の上にまっすぐに置いて出て行った。
女はにぎやかな小学校の校庭へあらわれた。遊び時間中であった。女は水呑場近くで、夢中になってボールをけっている男の子の一人をみつけて、その姿を目で追っていた。やがて男の子は女を発見して飛ぶように走って来た。女の袂をつかむと、子供ははちきれそうな頬をして、
「おばちゃん、僕、運動の選手になるんだ」
とせわしい息使いの中でいさましく云った。
女は子供の頭に手をおいて、その顔をじっとみた。
「運動の選手、いゝわね、さあ、遊んでらっしゃい」
子供は無邪気にうなずいて又、子供達の群れの中へ戻っていった。女は教員室へむかった。そして、男の子供の担任の先生に会った。女は度々来ていた。女が子供の保証人であり学資を出していた。