Japanisch lesen

Japanische Klassiker mit Furigana

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いくどめかのさいご

幾度目かの最期

久坂 葉子

Lesen Sie 幾度目かの最期 (いくどめかのさいご) von 久坂 葉子 (くさかようこ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 59.103 Zeichen · 121 Bildschirme

Aozora Bunko

諏訪子 おそろしいわ。

マネキン あわれな人間。おそろしいと感じるのね。

諏訪子 かなしいことだわ。

マネキン あわれな人間。かなしいと感じるのは。

諏訪子 みていられない。私自身を。(顔を掩う)

マネキン じだんだふんだっても、あなたは人間なのよ。それも人間の屑。たわけたこころがけをもっている芸術家なのよ。

諏訪子 おねがい、おねがいだから私を人形にしてほしい。

マネキン それは不可能でございます。

諏訪子、鏡の前から逃げ出すように椅子のあるところまでゆく。マネキン、ことこと歩いて、諏訪子の前へたち、ポーズをする。

マネキン さあさ、仕事がたくさん、たまっているのでしょう。仕事をおはじめになってはいかがです。諏訪子女史。

諏訪子 …………

マネキン それとも、御主人様に御電話なすってはいかが。

諏訪子 …………

諏訪子、じっとしている。突然、奇怪なる音楽。それにつれてマネキンおかしく踊り出す。電話のベル。音楽とまり、マネキンも静止。

マネキン そらそら御主人様かららしいことよ。

電話なりつづける。諏訪子たたない。電話なりやむ。

マネキン おうおう人間の生活はいそがしいこと。複雑なこと。