Japanisch lesen

Japanische Klassiker mit Furigana

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つよいたいしょうのはなし

強い大将の話

小川 未明

Lesen Sie 強い大将の話 (つよいたいしょうのはなし) von 小川 未明 (おがわみめい) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 2.007 Zeichen · 4 Bildschirme

Aozora Bunko

二

ある日の暮れ方、大将は、まったく路に迷ってしまったのであります。

二

このとき、あちらから目を泣きはらした、貧しげな女がやってきました。その女は、もうだいぶの年とみえて、頭髪が白うございました。

大将は、女を呼び止めて、都へゆく路をたずねました。

「あなたは、どなたさまでございますか。」と、年老った女は、泣きはらした目を上げて尋ねました。

「おまえは、俺を知らないのか、今度大戦争をして、ついに敵を負かした、大将が俺だ。」と、大将はいわれました。

年老った女は、じっとその顔を見上げていましたが、

「あなたは、地図をお持ちにならないのでございますか。」と申しました。

「ああ、この大戦でみんな焼けてしまった。」と、大将は激戦の日の有り様を目に思い浮かべて答えられました。

すると年老った女は考えていましたが、さびしい細い路を指さして、

「これを、まっすぐにおゆきなさるとゆかれます。」と申しました。

大将は、わずかな家来を引き連れて、その路を急がれました。けれど、どこまでいっても人家がありません。やっとたどりついたところは、いつか激戦のあった、思い出してもぞっとするような戦場であって、ものすごい月の光が照らしていたのであります。