Japanische Klassiker mit Furigana
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かいきじんぞうとう
怪奇人造島
寺島 柾史
Lesen Sie 怪奇人造島 (かいきじんぞうとう) von 寺島 柾史 (てらしままさし) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 43.159 Zeichen · 87 Bildschirme
「おお、これは壮観」
「こんなところに、こんな難所があるとはおもわなかった」将校も、操縦の下士も、あまりの物凄さに、暫し見惚れた。
「はやく、博士たちを救って下さい」
「はやくしないと、死んでしまいます」
「よし来た」将校は、大きく肯いて、もう一度渦巻の中心とおぼしい下界を見おろしたが、
「小僧! 幽霊船が、いやしないじゃないか」
僕も、陳君も、びっくりして下界を見おろすと、なるほど、大渦巻の中心に、捲き込まれて、独楽のようにぐるぐる廻っているはずの、死の船――幽霊船が、姿を見せないではないか。
「どうだ。小僧! やっぱり、おまえたちの夢だ」
「いいえ、たしかに、あの大渦巻に捲き込まれていたのです。僕等は、その幽霊船の甲板から、風船で脱れたのです。博士たちは、船に残っているンです。救けて下さい」陳君は、寂しげに云った。
「だって、幽霊船が、一向に見当らぬではないか。どうしたというンだ」
いくら、低空を旋回してみても、渦を巻く海上に、幽霊船の姿を見出すことが出来なかった。
「ああ、やっぱり、ほんとうの幽霊船だったかもしれないね」
とうとう、陳君は、こんなことを呟いた。