Japanische Klassiker mit Furigana
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あしのうら
怪奇探偵小説名作選7 蘭郁二郎集 魔像
蘭 郁二郎
Lesen Sie 怪奇探偵小説名作選7 蘭郁二郎集 魔像 (あしのうら) von 蘭 郁二郎 (らんいくじろう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 109.233 Zeichen · 223 Bildschirme
その上ひどく酒ぐせが悪く酒を飲めば決して真直に家へかえれないという悪病をもった男で、そのために細君は彼の不為態と家計の苦しさを怨んだ揚句、病みつかれていた肺病も手伝ったのでしょうか、去年私がまだ来る前に飛込自殺をしたということで、これは私も以前から聞き知っていたことです。又余談になりましたが、――ガソリンカーがびゅうびゅう駛って行きます。線路の両側に鬱蒼と続いていた森が、突然ぱったりと途絶えると定規で引いたような直線レールがか多摩川の方に白々と濡れて続いています。急に森を抜出たせいか吹曝しの車の上にいると霧雨が肌にまで沁透って来てゾクゾクした寒さに襲われて来ました。と、さっきの工夫がいうのです。
『いけねえよ、おい、今日は十七日じゃねえか、え、倉さんのおッかあがポンコツ食った日だぜ……』
誰も返事をしませんでした。ところが吉村君が私の耳元で
『ポンコツ食ったっていうのはこの辺なんだぜ』
そう囁いたかと思うと、急にガソリンカーがぐーっとスピードを落して、止ってしまったのです。思わず伸上って見ると二三間先の線路のわきに黒っぽい着物を着た男が、ごろんと転がっていました。