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Japanische Klassiker mit Furigana

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あしのうら

怪奇探偵小説名作選7 蘭郁二郎集 魔像

蘭 郁二郎

Lesen Sie 怪奇探偵小説名作選7 蘭郁二郎集 魔像 (あしのうら) von 蘭 郁二郎 (らんいくじろう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 109.233 Zeichen · 223 Bildschirme

Aozora Bunko

山鹿は、一寸皮肉気に、口を歪めて笑った。これが、この男のくせであった。

『いいや、それは……』

鷺太郎は、

(畜生――)

と思いながらも、ぽーっと耳朶の赤らむのを感じて、

『いや、それにしても……成るほど、あそこに寝るまで手に何も持っていなかったですね……匕首が落ちていたんじゃないかな』

『冗談でしょう。この人の盛上った海岸に、抜身の匕首が、それもたてに植っていた、というんですか、はははは、――そして、あんなに見事に、心臓をつき抜くほど、体を砂の上に投出すなんて、トテモ考えられませんね』

『そう――ですね、そういえばあそこでは学生がさっきから三段跳をやったり、転がったりしていたんだから――となると、わかんないな……』

『まったく、わからん、という点は同感です、あなたのお話しでは、あの少女は短刀を持っていなかった、そして寝てからも、誰もそばへは行かなかった――それでいて、匕首がささって殺された……』

『一寸。何も僕ばかりが注目していたわけじゃないでしょう。あんな綺麗な人だから僕よか以前からずーっと眼を離さなかった人がいるかも知れませんよ』

『なるほど、実はこの私も、注目の礼をしていたような訳でしてね、ははは……』