Japanische Klassiker mit Furigana
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あくまのもんしょう
悪魔の紋章
江戸川 乱歩
Lesen Sie 悪魔の紋章 (あくまのもんしょう) von 江戸川 乱歩 (えどがわらんぽ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 151.280 Zeichen · 301 Bildschirme
「ありませんね。僕も相当色々な指紋を見ていますが、こんな変な奴には出くわしたことがありません。指紋の分類では変態紋に属するのでしょうね。渦巻が二つ抱き合っているのは、たまに出くわしますが、渦巻が三つもあって、こんなお化みたいな顔をしている奴は、全く例がありません。三重渦状紋とでも云うのでしょうか」
「如何にも、三重渦状紋に違いない。これはもう隆線を数えるまでもありませんよ。一目で分る。広い世間に、こんな妙な指紋を持った人間は、二人とあるまいからね」
「拵えたものじゃないでしょうね」
「イヤ、拵えたものでは、こんなにうまく行きませんよ。この位に拡大して見れば、拵えものなれば、どこか不自然なところがあって、じき見破ることが出来るのですが、これには少しも不自然な点がない」
そして、闇の中の二人は、目と口のある巨大な指紋に圧迫されたかの如く、又黙り込んでしまった。
暫らくして、中村係長の声。
「それにしても、木島君は、この妙な指紋をどうして手に入れたのでしょう。この靴箆が犯人の持物とすれば、木島君は犯人に会っている訳ですね。直接犯人から掠めて来たものじゃないでしょうか」