Japanische Klassiker mit Furigana
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あくまのもんしょう
悪魔の紋章
江戸川 乱歩
Lesen Sie 悪魔の紋章 (あくまのもんしょう) von 江戸川 乱歩 (えどがわらんぽ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 151.280 Zeichen · 301 Bildschirme
「ハハハ……、そう気附かれちゃ仕様がない。如何にも俺はその川手さ。貴様の義理のお父つあんに使われた川手さ。だが何もそんなに威張るこたあなかろうぜ。元は貴様も俺と同じ山本商会の使用人じゃないか。それを、貴様はそののっぺりとした面で、御主人の一人娘、この満代さんをうまくたらし込み、まんまと跡取り養子に入りこんだまでじゃないか。財産といったところで、元々死んだ山本の親爺さんのもの、貴様が我が物顔に振舞っているのが、無体癪に触ってかなわねえのだ」
「ハハア、すると何だな、川手、貴様はこの満代が俺のものになったのを、いまだに恨んでいるんだな。その意趣返しにこんな無茶な真似をするんだな」
「そうともさ、俺あこの遺恨はどうあっても忘れるこたあ出来ねえ。丁度今から八年前、貴様も知っている通り、俺はちっとばかり店の金を遣い込んで、いたたまれず逃げ出したが、それというのも、思いに思った満代さんを、貴様に取られたやけっ八。あれから朝鮮へ高飛びして、ほとぼりのさめた頃を見はからって帰って見れば、山本の親爺さんはなくなって、貴様が主人に納まり返っている。商売は益々盛んで、山本さんもよい婿を取り当てたともっぱら世間の噂だ。