Japanische Klassiker mit Furigana
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あくまのもんしょう
悪魔の紋章
江戸川 乱歩
Lesen Sie 悪魔の紋章 (あくまのもんしょう) von 江戸川 乱歩 (えどがわらんぽ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 151.280 Zeichen · 301 Bildschirme
「ハハハ……、幽霊そのものは存在しないにしても、幽霊を怖がる恐怖心だけは、不思議と誰にもあるものだよ。君はそういう恐怖心が強いかどうかと訊ねるのさ」
「アア、そうですか。それなら、僕は怖がらない方です。真夜中に墓地を歩き廻ったりするのは大好きな方です」
「ホウ、そいつは頼もしいね。それじゃ、これから一つ僕と一緒に、夜の冒険に出かけるのだ。うまく行けば、すばらしい手柄が立てられるぜ」
「夜の冒険といって、一体どこへ行くのでしょうか」
「北園竜子の住んでいた空家へ、これから二人で忍び込むのだ。そして、空家の中で夜明かしをするのだ」
「では、あの空家に何か怪しいことでもあるとおっしゃるのですか」
「怪しいことがあるかも知れない。ないかも知れない。それを二人で試して見るのだ」
林助手には博士が何を考えているのか、まだよく分らなかった。しかし、無論北園竜子捜査に関する、何かの手掛りを得るためには違いない。
「まさか、あの空家に幽霊が出るという訳ではありますまいね」
林が冗談らしく笑うと、博士は案外真面目な顔で、
「ウン、幽霊が出てくれるといいんだがね。わしは、それを念じているくらいなんだよ」