Japanische Klassiker mit Furigana
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あくまのもんしょう
悪魔の紋章
江戸川 乱歩
Lesen Sie 悪魔の紋章 (あくまのもんしょう) von 江戸川 乱歩 (えどがわらんぽ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 151.280 Zeichen · 301 Bildschirme
刑事部長が宗像博士を慰めるように云うと、博士は鼈甲縁の眼鏡を直しながら、恐縮の面持で答えた。
「イヤ、今度は最初から失策つづきで、実に申訳ないと思っております。いつも一歩の差で犯人にしてやられたのです。私の助手はともかくとして、折角依頼を受けた川手家の人達を、遂に救うことが出来なかったのは、実に残念でした。
私としては全力を尽したのですが、今度の奴だけは、明智さんも云われたように、どこか人間放れのした、気違いめいた智慧を持っている奴で、常識では想像もつかない手を打つので、非常な苦労をして、しかも苦労甲斐がなかったのです」
「明智さん、中村君に聞けば、あなたも今度の事件には非常に興味を持っていられたということですが、何か御感想は?……あなたは、北園竜子は自殺でないという御意見だったそうですね」
刑事部長は、なぜか明智の痛いところへ触れるような云い方をした。すると、明智はそれを待ち兼ねてでもいたように、
「そうですよ。僕はそう考えているのです」
とキッパリ云い切るのであった。
「エ、あなたは今でもあれを他殺だとお考えなのですか」
捜査課長がびっくりしたような表情で、横合から口を出した。