Japanisch lesen

Japanische Klassiker mit Furigana

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あくまのもんしょう

悪魔の紋章

江戸川 乱歩

Lesen Sie 悪魔の紋章 (あくまのもんしょう) von 江戸川 乱歩 (えどがわらんぽ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 151.280 Zeichen · 301 Bildschirme

Aozora Bunko

「他殺としか考えられませんね」

明智は極り切ったことのように、動ずる色もなく答えた。

それを聞くと、宗像博士の目が異様に光った。博士は明智の挑戦を感じたのだ。もう黙っているわけには行かぬ。

「ハハハ……、明智君、大人げないじゃありませんか。いくら名探偵の君でも、時に失策がないとはいえぬ。それを、一度口にしたことは、あくまで押し通そうというのは、つまらない意地というものですよ。飛降り自殺をした山本始は、竜子の実の兄だったじゃありませんか。いくら我身を守る為だといって、真実の妹を殺すなんて、考えられないことです。現に山本の遺書にも、妹は自殺したのだと、はっきり記してあったではありませんか。……それとも、あなたはあの山本の遺書を認めないとでもいうのですか」

博士はまるで後輩にでも云い聞かせるような態度で、明智をたしなめた。

「認めませんね。あんな都合のいい遺書なんてあるもんじゃない。あれはまるで出鱈目ですよ」

アア、何を云い出すのだ。明智は気でも違ったのではないか。彼は宗像博士との手柄争いに敗れて、まるで駄々ッ子のようにやけくそになっているのかとさえ怪しまれた。