Japanische Klassiker mit Furigana
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あくまのもんしょう
悪魔の紋章
江戸川 乱歩
Lesen Sie 悪魔の紋章 (あくまのもんしょう) von 江戸川 乱歩 (えどがわらんぽ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 151.280 Zeichen · 301 Bildschirme
見れば、その握りの部分全体に、厚紙を丸くして被せてある。
「指紋だね」
「そうです。消えないように、十分用心して来ました」
丸めた厚紙をとると、下から銀の握りが現われて来た。
「ここです。ここをごらん下さい」
小池は握りの内側を指さしながら、ポケットから拡大鏡を取出して博士に渡した。博士はそれを受取って、示された部分に当てて見る。警部が無言で横からそれを覗き込む。
「オオ、三重渦状紋だ!」
木島助手が持帰った靴箆に残っていたのと、寸分違わぬお化けの顔が笑っていた。
「このステッキは?」
「その黒眼鏡の男が忘れて行ったのです」
「そいつはアトランチスの定連かね」
「イイエ、全く初めての客だったそうです。木島君が帰ると、間もなくそいつも店を出て行ったそうですが、今朝になっても、ステッキを取りに来ないということです。多分永久に取りに来ないかも知れません」
アア、小柄で華奢な黒眼鏡の男。そいつこそ稀代の復讐鬼なのだ。お化けのような三重渦巻の怪指紋を持った悪魔なのだ。
「とりあえず、それだけ御報告しようと思って。それから、このステッキを先生にお調べ願いたいと思いまして、急いでやって来たのです。