Japanische Klassiker mit Furigana
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あいのごとく
愛のごとく
山川 方夫
Lesen Sie 愛のごとく (あいのごとく) von 山川 方夫 (やまかわまさお) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 103.908 Zeichen · 210 Bildschirme
女は細く白眼をむき、涎のたれそうな唇でいつまでも笑っていた。信二は、自分の嫌悪と怒りの視野の中心にあるのが、けっして米兵の姿ではないのに気づいていた。かるい混乱のなかで、彼は予期とちがう自分にめざめていた。彼が嫌悪し、羞じ、痛切な憎しみをさえおぼえているのは、日本人の女たちなのでしかなかった。その逞しさがたまらなかった。なまなましい醜さがやりきれなかった。それらは女であり、それらが性器だった。彼は敗北をかんじていた。死んじまえ、こんなやつらなんか。息苦しく、屈辱は信二の喉につまっていた。
「そりゃ、いやなものさ」控え室にもどると、安達は信二の肩をたたいた。「そりゃおれたちだって日本人だ、日本人の女がいいように玩具にされているのをみて、腹の立たねえやつはいない」
信二はうすく笑った。頬が薄皮をはったようにこわばり、安達の誤解をとくのも物憂かった。「でもな、すぐに慣れるさ、すぐ、なんてこたあなくなる、とやかく考えるのがばかばかしくなる」
「われわれみたいにね」と荻村が声をかけた。「そうさ、」とすぐに安達が和した。「そうさ、無関心こそがわれわれの衛生法でね、モラルですよ」