Japanisch lesen

Japanische Klassiker mit Furigana

ja-reading.com

Lesen Sie japanische Klassiker online mit Furigana. Filtern Sie nach JLPT-Niveau, tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung und übersetzen Sie einen Satz.

あいのごとく

愛のごとく

山川 方夫

Lesen Sie 愛のごとく (あいのごとく) von 山川 方夫 (やまかわまさお) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 103.908 Zeichen · 210 Bildschirme

Aozora Bunko

……だが、信二にはその反撥を、偶然そこにいた中学からの同級生に口に出すだけの子供っぽさはまだ残っていた。

「へんな男だなあ」と、その蒼じろい学生は答えた。「不幸な子供だ。君はバカだよ」

「仕方がない、僕は僕でしかないんだから」

大学の校舎の屋上から、赤い煉瓦の塀をへだてたとなりの外国大使館の庭が見下ろされた。ほとんど葉の落ちた樹々の、まだらな骨のようになった枯れた色のあいだに、鉛いろに光る池があった。そこから鳥が立った。

屋上の縁の石に胸をつけて、信二はふと口に出した。「ここから下に落ちたら、死ぬかね」

「柔道をやってりゃ、助かるかな」

「石切場らしいな、下は」

「なら完全だ、死ぬよ」

答えて、友人は彼をのぞきこんだ。

「おい小畑、女にでもふられたのか?」

びっくりして、彼は笑い出した。「ばかばかしい、おれはだれも愛さないよ」

日射しは明るかった。暖冬異変といわれたその冬は、春のようなあたたかな日々がつづいていた。その年の授業が終るのも間近かった。眼鏡をかがやかせて、日向ぼっこをしながらノートをうつすのに余念のない姿もある。完備した自分のノートを考え、授業料もあとわずかだ、と信二はさわやかな気持ちで思った。