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Japanische Klassiker mit Furigana

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ばしゃ

愛の挨拶・馬車・純粋小説論

横光 利一

Lesen Sie 愛の挨拶・馬車・純粋小説論 (ばしゃ) von 横光 利一 (よこみつりいち) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 40.699 Zeichen · 78 Bildschirme

Aozora Bunko

しかし由良は信者から花江の身の上ばなしを聞いてからは、あまりに痛ましくてその話を忘れることに心を用いねばならないほどになってきた。ときどきのうのうと陽にあたって長くなっているときでも、ついその話を思い出すと、世にそれほど気の毒なことがあろうかと、身までつまされて花江の顔が頭から放れがたなくなるのである。もう信者が何と思おうともかまわないから、どうかして自分の心の寸分でも打ちあけて花江を慰めてやりたいものだと思うのだが、そんなことはたとえいくら機会があったところで口へ出しては云えるものでもなし、行為にはなおさら現わすことが出来ぬとすれば、そんならこのままじっとしてさも何も知らぬがようにしていなければ、男女の間の慰めというものは現してはならぬものであろうかと、由良はその冷胆に白白しくしていなければ慎ましさの現れぬ東洋の風習に、むしろいかがわしささえ感じて来た。しかし、そうかと思えばまた一方、あまり奇怪なほどにも花江の姿の浮んで来るときには、これは自分はいつの間にやら花江に心を奪われてしまっているからにちがいないと、早速花江を突き飛ばして、何んのあれしきの不幸で慰めなどとは滅相なと、それより現に夢殿村で藻痒いている多くの患者の方に団扇を上げてはみるのであるが、自分に何の病いもなかったと分って、もう喜びも忘れ