Japanische Klassiker mit Furigana
ja-reading.com
Lesen Sie japanische Klassiker online mit Furigana. Filtern Sie nach JLPT-Niveau, tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung und übersetzen Sie einen Satz.
ばしゃ
愛の挨拶・馬車・純粋小説論
横光 利一
Lesen Sie 愛の挨拶・馬車・純粋小説論 (ばしゃ) von 横光 利一 (よこみつりいち) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 40.699 Zeichen · 78 Bildschirme
」というと由良を後ろに従えて温泉場の方へ近づいていった。この禅坊主の問答のような二人の会話のやりとりで、由良も久しぶりに明るくなって温泉場へ登っていくと、今まで二人の声を聞いて隠れていたのであろう、急に、草むらの中からごそごそ信者が現れて来ると、何思ったのか二人の方に向って嶮しい顔つきをして降りて来た。信者は由良の傍まで近づいて来ると、これ見よといわぬばかりに、露骨に眼光に怒りを含めて由良を睨みつけながら、黙って横を通りぬけた。由良は前に信者ともう学者の所へは行かないと約束してあったことなどすっかり忘れてしまっていたときとて、しばらくはどうしてそんなに信者が怒るのか分らなかったが、ふと気がつくと、そうそうあれかと思って、またおかしさがこらえられなくなり始め、信者を見降ろしながら大口あいてわはッわはッと笑い立てた。すると、信者は振り返ってちらりと由良を睨らみ上げると、手拭で顔を隠して、口惜しそうに坂道を一散に馳け降りたが、丁度信者の身体がもう曲った草むらの中へ見えなくなろうとしたところで、ばったり何かにつまずいて彼は前へそのままつんのめった。由良はあッと云うと笑いをとめたが、事実信者が倒れたのかどうだかはっきり彼の姿が草に隠れて見えないのだから、そこに立ち停ったまま、もう信者の姿が起き上るであろうかどうか