Japanisch lesen

Japanische Klassiker mit Furigana

ja-reading.com

Lesen Sie japanische Klassiker online mit Furigana. Filtern Sie nach JLPT-Niveau, tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung und übersetzen Sie einen Satz.

わがやのらくえん

我が家の楽園

久生 十蘭

Lesen Sie 我が家の楽園 (わがやのらくえん) von 久生 十蘭 (ひさおじゅうらん) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 90.195 Zeichen · 175 Bildschirme

Aozora Bunko

こういう恰好をするときは、かえらぬむかしの夢を辿りながら、遣瀬ない物思いに耽っているのである。係長は、そういうこととは知らないから、いい気になって、ひとりでおしゃべりをしている。

「親分のほうは、騒々しいだけで害はないんですが、娘には困ります……ミドリさんというんですが、これがすごいヌード趣味でね、気がむくと、どこの家でも入って行って、着ているものをすっかり脱いで、なにもかもお目にかけちまう……この市兵衛町で、ミドリさんに脅かされなかった家は一軒もないというくらいのものなんで……二十三四の小柄の、ツルリとしたきれいな娘ですが、お宅へは現われませんでしたか」

応答はなかった。石田氏は聞いていないんだから、しようがない。気の毒になったので、百々子が助け舟をだそうと思っているうちに、五十雄君が、だしぬけに横から口をだした。

「ええ、来ました。お隣りのお嬢さんだと知らなかったもんだから、交番へ電話をかけたりして、悪いことをした」

「やはり来ましたか……この家へ来ないはずはないと思っていた……この間は、朝がけからお騒がせしましたが、あのエルマンというやつにひっ絡まっていたんで、ああなる前に、何度か署へ呼んで注意したんですが、当人は欺されたと思っていないんだから、手がつけられない……それで……やはり脱ぎましたか」