Japanisch lesen

Japanische Klassiker mit Furigana

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わがやのらくえん

我が家の楽園

久生 十蘭

Lesen Sie 我が家の楽園 (わがやのらくえん) von 久生 十蘭 (ひさおじゅうらん) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 90.195 Zeichen · 175 Bildschirme

Aozora Bunko

四

みなの見えるところに、今日の献立が貼りだしてある。

ジャパニーズ・プレーン・スープ・ウィズ・オイル・アップ Japanese Plain Soup with Oil-Up.

コールド・ビーン・カスタード Cold Bean Custard.

『日本風の透明スープ』はお清汁……『豆の冷いカスタード』は冷奴。これはよろしい。オイル・アップとはなにか? 油揚のことなんだ。どこまでひとを馬鹿にする気なのか。

馬鹿にされても、金のかからないほうがいいが、それから後がまたたいへんなんだ。直径四十五センチの大皿に、ミートボールとスパゲッティが土堤をつくって出てくる。そのつぎにヴィクトリア・カツレツの山盛り……賢夫人は貧血をおこしそうになり、

「きょうもまた、たいへんなお金が逃げて行く」とつぶやく。

シュラー氏はどこにいる? 早く来ないと、石田家は破産する。

四

「シュラー氏は、独立祭の日に、日本へ来るでしょう」と、ヘンリ清水がいった。

蒸暑い梅雨があがるのを待つように、みな苛々しながらこの日を待っていたので、朝から、どいつも上機嫌だった。

今日の邂逅は、『忍恋』の部に入る歌枕だから、千々子さまが羽田へ迎いに行くような派手なことは避け、シュラー氏がどこかの寄り道のようにして、さりげなく訪ねるのを待つことになった。