Japanische Klassiker mit Furigana
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〈わがあいするしじんのでんき〉(ほい)
〈我が愛する詩人の伝記〉(補遺)
室生 犀星
Lesen Sie 〈我が愛する詩人の伝記〉(補遺) (〈わがあいするしじんのでんき〉(ほい)) von 室生 犀星 (むろうさいせい) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 11.167 Zeichen · 22 Bildschirme
彼の女達の肉体が一つづゝ
田舎から失くなつてしまつて
町の色香に呑まれてゆくのだ
貧しい娘はすぐさらはれて
この世から色を失つては
深夜の月のやうに燃え失せるのだ
(後略)
我身知らず
彼女は玉のやうに掴みどころがなかつた。
彼女はとめどもなく人を善人だと見た。
彼女はどんな人も赦し涜辱をも忍むだ。
彼女は自分を害するやうな人に近づいて、
その人が涙をこぼす瞬間へつけ入つて、
やさしくその涙を拭つてやつた。
彼女は殆ど抵抗をしなかつた。
彼女には三種の美しい表情があつた。
彼女は遂ぞぶりぶりした事がない、
彼女はどうしたことか小さい時分から恋愛を理解した。
そして永久かと思はれる程愛情が深い。
しかし今の夫が初めであり終りであつた。
嘗てそれを疑つた事と否定した事がない。
彼女の夫はよほどむづかしい難題をつきつけられてゐるのだ。
(抜き書)
私は満洲に旅行した時、初めて洋服という物を作りそれを着用してはるばる哈爾賓まで出掛けた。黒の上下に半コートの外套、これが生涯の最初に着た最後の洋服というものであった。大正十二年に震災で帰郷して春の外套というものを作り、これを着用して帰京したが、佐藤惣之助はこの春の外套をたいへんに褒めてくれ、私は戯談に、では君に売ろうじゃないかというと、是非売ってくれと言い気の早い惣之助は、拾円札を四枚紙入からつまみ出した。