Japanische Klassiker mit Furigana
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わがあいするしじんのでんき
我が愛する詩人の伝記
室生 犀星
Lesen Sie 我が愛する詩人の伝記 (わがあいするしじんのでんき) von 室生 犀星 (むろうさいせい) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 116.728 Zeichen · 231 Bildschirme
※(始め二重山括弧、1-1-52)酔の廻つてゐるとき、老師はあまり人の言葉を耳に入れないやうな振りを見せた。しかし、何か大切なことだけは、酔眼の奥にくわつと見開いたものがあつて、しつかりつかんで置く、さういふ風な性質であつた。「君は頓馬な男だ、いつぞや私が書いて上げた短冊を忘れて行つたらう」と、立ち上ると、違ひ棚から新聞紙に包んだものを持つて来た……(後略)※(終わり二重山括弧、1-1-53)
父を愛し母を愛し姉を愛し兄を愛した彼は、昌子を貰うために飽くまで父と戦い母と戦い兄とも戦い、兄秀夫を先ず味方に惹きいれ、ついに父母の城をおとしいれた、その間にあって一つも自棄くさいことはしないで、真情の動かないところで押して押し抜いたのである。ある日、父秀松博士は私の家に大きいオーヴァを着用に及んで、あれには困ったものですが、何とか媒妁の労を取って下さいと言いに見えられ、私はついにこの城を陥しいれた彼のまごころに、ひそかに舌を捲いたくらいである。では何分よろしくと言って、秀松博士はまた大なる茶色の外套を着て、心足りたふうで帰って行かれた。私は信夫にいったものだ、大きいオーヴァを着てお父さんが見えたぞ、しかし万端承諾されていると嬉しそうな彼の顔を見て、私もはればれしく彼のために喜んだ。