Japanische Klassiker mit Furigana
ja-reading.com
Lesen Sie japanische Klassiker online mit Furigana. Filtern Sie nach JLPT-Niveau, tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung und übersetzen Sie einen Satz.
あるおんな
或る女
有島 武郎
Lesen Sie 或る女 (あるおんな) von 有島 武郎 (ありしまたけお) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 149.981 Zeichen · 295 Bildschirme
五
しかし木村の熱心も口弁も葉子の名を広告の中に入れる事はできなかった。
こんな騒ぎが持ち上がってから早月親佐の仙台における今までの声望は急に無くなってしまった。そのころちょうど東京に居残っていた早月が病気にかかって薬に親しむ身となったので、それをしおに親佐は子供を連れて仙台を切り上げる事になった。
木村はその後すぐ早月母子を追って東京に出て来た。そして毎日入りびたるように早月家に出入りして、ことに親佐の気に入るようになった。親佐が病気になって危篤に陥った時、木村は一生の願いとして葉子との結婚を申し出た。親佐はやはり母だった。死期を前に控えて、いちばん気にせずにいられないものは、葉子の将来だった。木村ならばあのわがままな、男を男とも思わぬ葉子に仕えるようにして行く事ができると思った。そしてキリスト教婦人同盟の会長をしている五十川女史に後事を託して死んだ。この五十川女史のまあまあというような不思議なあいまいな切り盛りで、木村は、どこか不確実ではあるが、ともかく葉子を妻としうる保障を握ったのだった。
五
郵船会社の永田は夕方でなければ会社から退けまいというので、葉子は宿屋に西洋物店のものを呼んで、必要な買い物をする事になった。