Japanische Klassiker mit Furigana
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あるおんな
或る女
有島 武郎
Lesen Sie 或る女 (あるおんな) von 有島 武郎 (ありしまたけお) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 149.981 Zeichen · 295 Bildschirme
が走るほど憎かった。しかしこんな思いをするのもきょうだけだと思って部屋の中に案内した。叔母は空々しく気の毒だとかすまないとかいい続けながら錠をおろした箪笥を一々あけさせて、いろいろと勝手に好みをいった末に、りゅうとした一揃えを借る事にして、それから葉子の衣類までをとやかくいいながら去りがてにいじくり回した。台所からは、みそ汁の香いがして、白痴の子がだらしなく泣き続ける声と、叔父が叔母を呼び立てる声とが、すがすがしい朝の空気を濁すように聞こえて来た。葉子は叔母にいいかげんな返事をしながらその声に耳を傾けていた。そして早月家の最後の離散という事をしみじみと感じたのであった。電話はある銀行の重役をしている親類がいいかげんな口実を作って只持って行ってしまった。父の書斎道具や骨董品は蔵書と一緒に糶売りをされたが、売り上げ代はとうとう葉子の手にははいらなかった。住居は住居で、葉子の洋行後には、両親の死後何かに尽力したという親類の某が、二束三文で譲り受ける事に親族会議で決まってしまった。少しばかりある株券と地所とは愛子と貞世との教育費にあてる名儀で某々が保管する事になった。