Japanische Klassiker mit Furigana
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あるおんな
或る女
有島 武郎
Lesen Sie 或る女 (あるおんな) von 有島 武郎 (ありしまたけお) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 149.981 Zeichen · 295 Bildschirme
教師はその帯の色合いから推して、それは男向きの品物に違いないと決めてしまった。そして葉子の心は早熟の恋を追うものだと断定した。そして恋というものを生来知らぬげな四十五六の醜い容貌の舎監は、葉子を監禁同様にして置いて、暇さえあればその帯の持ち主たるべき人の名を迫り問うた。
葉子はふと心の目を開いた。そしてその心はそれ以来峰から峰を飛んだ。十五の春には葉子はもう十も年上な立派な恋人を持っていた。葉子はその青年を思うさま翻弄した。青年はまもなく自殺同様な死に方をした。一度生血の味をしめた虎の子のような渇欲が葉子の心を打ちのめすようになったのはそれからの事である。
「古藤さん愛と貞とはあなたに願いますわ。だれがどんな事をいおうと、赤坂学院には入れないでくださいまし。私きのう田島さんの塾に行って、田島さんにお会い申してよくお頼みして来ましたから、少し片付いたらはばかりさまですがあなた御自身で二人を連れていらしってください。愛さんも貞ちゃんもわかりましたろう。田島さんの塾にはいるとね、ねえさんと一緒にいた時のようなわけには行きませんよ……」
「ねえさんてば……自分でばかり物をおっしゃって」