Japanische Klassiker mit Furigana
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あるしょうじょのしまで
或る少女の死まで 他二篇
室生 犀星
Lesen Sie 或る少女の死まで 他二篇 (あるしょうじょのしまで) von 室生 犀星 (むろうさいせい) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 113.554 Zeichen · 228 Bildschirme
「あの人はおくじを引きにくるけれど、おくじを信じることができない人だ。」と父が言っていた。
私は先月父にこんなことをおくじに引いてもらった。あたるかあたらないかを私自身ではっきり見たいためもあった。
「東京へ送った書き物がのるかのらないかを見て下さい。」と。
父は本堂から降りて来て、
「出る。たしかに出る。」と言った。何んだか父が私が失望しはせぬかという懸念のためにいい加減に言われたような気がした。
「本当ですか。どんな『くじ』なんです。」
「旭の登るが如しと言うのじゃ。」
父は、竹の札(くじ箱にはそれが百本入っていて、一本ずつ振ると出て来る。その偶然が人人にとっての運命になっている。)を見せた。それには文字通りの「上吉」が出ていた。
そして私の詩が印刷された。私はそれからは信じきれないうちにも、時時信じるようになっていた。神秘に近いものが毎時おくじに現われているようにさえ思うのであった。米の相場師などがよく朝早くやって来た。「吉」が出ると、
「買っていいんですな。本当にいいんですな。」と血眼になる人もあった。
「おくじ」の出たとおりにやって儲かった人は、よく大きな金燈籠や真鍮の燭台や提灯などを運んでお礼まいりに来たりした。