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Japanische Klassiker mit Furigana

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あるしょうじょのしまで

或る少女の死まで 他二篇

室生 犀星

Lesen Sie 或る少女の死まで 他二篇 (あるしょうじょのしまで) von 室生 犀星 (むろうさいせい) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 113.554 Zeichen · 228 Bildschirme

Aozora Bunko

「先日は失礼しました。どうぞお上りなすって下さいまし。」

二階へ案内された。私はさきの晩、なりの高い女を招んだ。私はただ、すきなだけ女を見ておればだんだん平常の餓えがちなものを埋めるような気がした。

「金毘羅さんの坊ちゃんでしたわね。いつかお目にかかったことのある方だと思っていたんですよ。」

彼女は小さい妹芸者を振りかえって笑った。私はいつも彼女を寺の境内で、そのすらりとした姿をみたときに逢って話したいと思っていて、こうしてやって来て、いつも簡単に会えるのがうれしかった。

「雨のふるのによくいらしったわね。」

彼女は火鉢の火を掻いた。この廓のしきたりとして、どういう家にもみな香を焚いてあった。それに赤襟といわれている美しい人形のような舞妓がいて、姉さんと一しょに座敷へやって来るのが例になっていた。

「お酒を召しあがりになりますの。」

彼女はちょいと驚いた。

「すこしやれるんだから、とって下さい。」

このごろ少しくやれる酒を言い附けた。

「あなたはいつも黙っているのね。」

女は手持無沙汰らしく言った。私はべつに話すこともなかったし、妙に言葉が目まいしたように言えなかった。