Japanisch lesen

Japanische Klassiker mit Furigana

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あるしょうじょのしまで

或る少女の死まで 他二篇

室生 犀星

Lesen Sie 或る少女の死まで 他二篇 (あるしょうじょのしまで) von 室生 犀星 (むろうさいせい) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 113.554 Zeichen · 228 Bildschirme

Aozora Bunko

二

母は、いつも永く門のところに佇って見送っていた。

二

私は養家へかえると、母がいつも、

「またおっかさんところへ行ったのか。」とたずねるごとに、私はそしらぬ振りをして、

「いえ。表で遊んでいました。」

母は、私の顔を見詰めていて、私の言ったことが嘘だと言うことを読み分けると、きびしい顔をした。私は私で、知れたということが直覚されると非常な反感的なむらむらした気が起った。そして「どこまでも行かなかったと言わなければならない。」という決心に、しらずしらず体躯が震うのであった。

「だってお前が実家へ行っていたって、お友達がみなそう言っていましたよ。それにお前は行かないなんて、うそを吐くもんじゃありませんよ。」

「でも僕は裏町で遊んでいたんです。みんなと遊んでいたんです。」

私は強情を張った。「誰が言い附けたんだろう。」「もし言い附けたやつが分ったらひどい目に遭わしてやらなければならない。」と思って、あれかこれかと友達を心で物色していた。

「お前が行かないって言うならいいとしてね。お前もすこし考えてごらん。此家へ来たら此処の家のものですよ。そんなにしげしげ実家へゆくと世間の人が変に思いますからね。