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Japanische Klassiker mit Furigana

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あるしょうじょのしまで

或る少女の死まで 他二篇

室生 犀星

Lesen Sie 或る少女の死まで 他二篇 (あるしょうじょのしまで) von 室生 犀星 (むろうさいせい) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 113.554 Zeichen · 228 Bildschirme

Aozora Bunko

わずか一年も嫁入って帰って来た彼女は、生れかわったように、陰気な、考え深い人になっていた。

「ねえさんはお嫁に行ってひどい目に会ったんでしょう。きっと。」

「なんでもないのよ。」

姉はあとは黙っていた。私達は杏の種をそっと窓から隣の寺の境内にすてた。

姉はいろいろな布類や小さな美しい箱や、目の青い人形や、絹でこしらえた財布や、嫁入さきが海岸だったというのでそこで集めた桜貝姫貝ちょうちん貝などを沢山に持っていた。それは小さな手提箪笥の中にしまってあった。私はそれを少しずつ頒けてもらっていた。

「これもすこし上げよう。」

一つ一つ少しずつ分けてくれた。私はことに美麗な透明な貝などを綿にくるんで、やはり貰った箱にしまっておいた。姉は、ことに小布片が好きであった。様様な色彩の絹類を大切に持っていた。どうしたはずみだったか、姉の名あての手紙の束を見たことがあった。

「それ何に。おてがみ! 見せて下さい。」

私は何心なく奪うようにして取ろうとすると、姉は慌ててそれを背後に隠して、そして赧い顔をした。

「何んでもないものですよ。あなたに見せても読めはしないものよ。」

私は姉が赤くなったので、見てはわるいものだということを感じた。