Japanische Klassiker mit Furigana
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あるしょうじょのしまで
或る少女の死まで 他二篇
室生 犀星
Lesen Sie 或る少女の死まで 他二篇 (あるしょうじょのしまで) von 室生 犀星 (むろうさいせい) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 113.554 Zeichen · 228 Bildschirme
きっと、姉の友達から来たので、私どもに知らしてはならないことを書いてあるのだと思って、私は二度それを見ようとはしなかった。
「かあさんにね。ねえさんが手紙をもっているっていうことを言わないでしょうね。」
姉は心配そうに言った。
「言わないとも。」
「きっと。」
「きっとだ。」
私は小さな誓いのために指切りをした。姉はお嫁前とは瘠せていたが、それでもよく肥えてがっしりした手をしていた。私はそういう風に、だんだん姉と深い親しみをもってきた。
晩は姉とならんで寝た。
「姉さん。はいっていい?」
などと私はよく姉と一しょの床にはいって寝るのであった。姉はいろいろな話をした。医王山の話や、堀武三郎などという、加賀藩の河師の話などをした。
加賀藩では河師というものがあって、鮎の季節や、鱒の季節には、目の下一尺以上あるものを捕るための、特別な河川の漁師であって、帯刀を許されていた。ことに堀武三郎というのは、加賀では大川である手取川でも、お城下さきを流れる犀川でも、至るところの有名な淵や瀬頭を泳ぎ捜ることが上手であった。
膳部職から下命があると堀はいつも四十八時間以内には、立派な鮎や鱒を生け捕ってくるのであった。