Japanische Klassiker mit Furigana
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あるしょうじょのしまで
或る少女の死まで 他二篇
室生 犀星
Lesen Sie 或る少女の死まで 他二篇 (あるしょうじょのしまで) von 室生 犀星 (むろうさいせい) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 113.554 Zeichen · 228 Bildschirme
かれは黙っていた。かれは面白そうに外を見ていた。私はかれが立っていると、さぞ私のように足がだるいだろうと思って言った。
「君は腰掛にいたまえ。先生が来たら言ってやるから。」
「そうか。」
と、言ってかれは腰掛に坐った。かれは室の奥の方にいたのだ。私は入口にいたので、先生が来れば見えるのであった。
先生が来た。私はすぐかれに注意した。
先生は、私の方へ来ないでかれの方へ行って何か小声で叱っていた。かれは泣いて謝まっていた。汚ない顔じゅうを涙で洗うにまかせた二目と見られない顔であった。
「では帰んなさい。」
かれは許されて出て行った。こんどは私の方へ来た。
「何故昨日許しもしないのに帰ったのだ。きさまぐらい強情な奴はない。」と言った。
私は「また何故が初まった。」と心でつぶやいた。
「何とか言わないか。言わんか。」
私はその声の大きなのにびっくりして目をあげた。私は極度の怨恨と屈辱とにならされた目をしていたにちがいない。
「何故先生を睨むのだ。」
私は怒りのやり場がなくなっていた。私はカバンの底にしまってあるナイフがちらと頭の中に浮んだ。突然天井が墜落したような、目をふさがれたような気がして、私は卒倒した。