Japanische Klassiker mit Furigana
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あるしょうじょのしまで
或る少女の死まで 他二篇
室生 犀星
Lesen Sie 或る少女の死まで 他二篇 (あるしょうじょのしまで) von 室生 犀星 (むろうさいせい) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 113.554 Zeichen · 228 Bildschirme
私はひとりで木の蔭にシロと巫山戯ていた――。
私はこの平和な心を今歩きながら感じた。そして、今総てがなくなっていた。私は何も彼も無くなっていた。私は元気づいて前方を馳ってゆく白を悲しそうに見た。「あれだけが生きている。あれがみな知っている。」と思った。「あれがもし話ができたら、よく私を慰めてくれるに違いない。」と思った。
私は廻り歩いて郊外の慈恵院の前にでた。そこには、親のない子が沢山に集まっていた。ちょうど、内の仕事の時らしく、一人の監督に連れられて、燐寸の棒を葭簀にならべて日光に乾していた。私と同じ年頃の少年らは、みな規則正しい手なれた運び方をして、一と掴みずつ簀の上に棒をならべていた。棒のさきには薬品がくろく塗られてあった。
私は静かに眺めていた。みな血色がわるくて蒼いむくんだような顔をしていた。「私と同じい親のない少年だ。私もああして働かなければならなかったのだ。私にああいうことが出来るだろうか。」と考えた。あの冷たそうな監督の顔が私には不快であった。そして、この院内から匂うてくる一種の嘔き気を催す臭気はたまらないほど、私の胸をむかむかさせた。