Japanische Klassiker mit Furigana
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あるしょうじょのしまで
或る少女の死まで 他二篇
室生 犀星
Lesen Sie 或る少女の死まで 他二篇 (あるしょうじょのしまで) von 室生 犀星 (むろうさいせい) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 113.554 Zeichen · 228 Bildschirme
和尚さんも喜んでくれた。
お寺では吉日を選んで供養をしてくれた。私が施主であった。川の中に棄てられてあった地蔵さんは、いまは立派な御堂のなかに、しかも鐸鈴まで添えられて祠り込まれた。私は嬉しかった。
私はそれを機会としてお寺へ遊びに行くようになった。和尚さんは子供がなかったので、私をむやみに可愛がってくれた。私が学校からの帰りが遅いと、よく私の家へ来られた。
「まだ帰りませんかね。」
などと姉にたずねていた。
そういうとき、私はすぐにお寺へ、学校の道具を投げ出すと飛んで行った。
「和尚さんただいま。」
私は和尚さんの炉のよこへ坐った。
「よく来たの。いまちょいと迎えに行ったところだった。」
和尚さんは、いろいろ菓子などをくれた。それから古い仮名のついた弘法大師の朱色の表紙をした伝記などを貰った。
和尚さんは優しい人であった。いつも善良な微笑をうかべてお茶をのんだり、暦を繰ったりしていた。
私はだんだん慣れると、奥の院の涼しい書院へ行って、学校の書物をよんだり、または、つい涼しいまぎれにうとうとと少年らしい短い鼾を立てたりしていた。和尚さんは私の我儘を許すばかりでなく、心から私を愛しているらしかった。