Japanisch lesen

Japanische Klassiker mit Furigana

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あるしょうじょのしまで

或る少女の死まで 他二篇

室生 犀星

Lesen Sie 或る少女の死まで 他二篇 (あるしょうじょのしまで) von 室生 犀星 (むろうさいせい) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 113.554 Zeichen · 228 Bildschirme

Aozora Bunko

ある日のことであった。

「あんたはここのお寺のものになるのは厭か。」と言った。

「来たっていいけれど、坊さんになるのはいやです。和尚さんの子になるのならいいけれど。」

「坊さんにならなくともよろしい。では厭ではないんだね。」

「え。喜んで来ます。お母さんがどう言うか知りませんが。」

「わしからお母さんにはお話する。」

この話があってから、私は母に呼ばれた。そしてお寺に行く気かとたずねられた。私はぜひ行きたいと思っていると言った。お寺にゆけば何も彼も私は心から清い、そして、あの不幸な母のためにも心ひそかに祈れると思ったからである。私がお寺に起居するということだけでも、私は母に孝をつくしているような気がするのであった。

坊さんにはしない条件で私はいよいよ寺の方へ養子にゆくことになった。姉は悲しんだが、すぐ隣家だったので、いつでも会えると言って諦めた。

私の着物や書物はお寺に運ばれた。式も済んだ。そして私は涼しいお寺の奥の院で生活をするようになった。私は寺から学校へ通っていた。

私の目にふれた色色な仏像や仏画、朝夕に鳴る鐸鈴の厳かな音色、それから彼処此処に点されたお燈明などに、これまでとは別な清まった心になることを感じるのであった。