Japanische Klassiker mit Furigana
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あるしょうじょのしまで
或る少女の死まで 他二篇
室生 犀星
Lesen Sie 或る少女の死まで 他二篇 (あるしょうじょのしまで) von 室生 犀星 (むろうさいせい) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 113.554 Zeichen · 228 Bildschirme
「あのときあんたはどんな気がしていたの。言ってごらん。」
私は柔しく言った。
「みなさんがお怪我をなさらないように祈っていましたわ。」
「ほんと。」
「ええ。」
彼女はにごらない刻みつけたような微笑をした。目はしずかに、むしろ平和にかがやいていた。
その色の白い、どこか品のある顔は澄んで、どこということもない別な神聖なものが漂っていた。
私は心でこの少女に感謝した。この小さい魂の前で私は決してああいう出来事に再び加わってはならないと心で誓うような純な感情になった。
「男のひとはみんなああして喧嘩するものでしょうか。」
「そんなことはないよ。善い人は決して喧嘩なんぞしないよ。」
私は答えて顔が赤くなるような気がした。喧嘩した私どもはそうなると悪い人間だ。私もそれに違いない。
少女は黙って、紅茶の道具をひいてゆくと、そこへOとHとが来た。三人の頭には昨夜の事件が顔を合すと同時に想起された。その微笑には何処か破れたようなところがあった。
「ともかく誰か見舞いに行かなければならない――」ということになった。私は、
「僕が行こう。」と言った。
HもOも行こうとしないことを知っているので、私がビール半ダースを提げて示談にでかけることになった。