Japanische Klassiker mit Furigana
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あるしょうじょのしまで
或る少女の死まで 他二篇
室生 犀星
Lesen Sie 或る少女の死まで 他二篇 (あるしょうじょのしまで) von 室生 犀星 (むろうさいせい) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 113.554 Zeichen · 228 Bildschirme
」
私は間もなく自分の室の方へかえった。晩夏の永い日もややくらみをおびた。
……いま鳴るかねはいくつのかねじゃ……といううたごえが、こんどは、お母さんの室の方にきこえた。
私は机にむかった。
そこへOが訪ねてきた。あの日以来、私どもは会わなかった。さまざまな感情の機微がこの友を厭うたりして、しばらく会わない方がいいような気がした。
Oは這入ると、すぐに、
「いい室だね。それから君は芝の方へまだ行かないそうだね。」と言ったが、私には訳が解らなかった。
「芝の方へとは。」
「芝の区裁判さ。僕もHも呼出されて検事から説諭されちゃった。そのときにね。君が出て行かないものだから、ぶつぶつ言っていたよ。」
「でも僕は越したので通知を受取らないから仕方がない――明日行って見よう。」
「そうしたまえ。めんどうだからな。」とOは言った。
私がまだあの出来事が網の目のように、私の行く先に張られていたことを知って、不幸な、煮えるような苛苛しい気分になってゆくのであった。
「検事はいったい何んなことを言うんだ。」
「ただいわゆる説諭だ。なんでもないよ。駒込から通知が行ったんだね。」
Oは寂しい顔をした。