Japanische Klassiker mit Furigana
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あるしょうじょのしまで
或る少女の死まで 他二篇
室生 犀星
Lesen Sie 或る少女の死まで 他二篇 (あるしょうじょのしまで) von 室生 犀星 (むろうさいせい) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 113.554 Zeichen · 228 Bildschirme
」
母なるひとは、ちゃぶだいにいろいろな物をならべながら、
「やっとお馴染みになったのに、ほんとに惜しゅうございます。」と言った。
ふじ子は、
「おじさんは此処よ。そのつぎが敬宗、それから妾――これでいいんでしょう。」とお母さんにいう。
「あ、それでいいとも。」と、こんどは私にむかって、
「何もございませんが、お別れのしるしまでにいたしたのでございますから、おあがりになって下さいまし。」
何処か国なまりのある、静かな快い調子で言った。
「ではいただきます。」
私はちゃぶ台にむかった。永い間、いつも一人で食事をしていた時は、ことにこの少数な美しい家庭の一員になって、食事をともにすることは、私の心をしずかに温め柔らげた。
ふじ子も嬉しそうにくすくす笑いながら私のかおを見たり、弟をしかったりした。母なるひとは、
「いずれ私どもも月末には帰国しますので、主人からも手紙を出すように申しますが、またおたよりを下さいまし。」と、処書きを教えた。
「私こそ沢山おせわになりました。御主人によろしくお伝えなすって下さい。」
ふじ子が、
「おじさん。わたしも手紙をあげますわ。いいでしょうお母さん。