Japanische Klassiker mit Furigana
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あるしょうじょのしまで
或る少女の死まで 他二篇
室生 犀星
Lesen Sie 或る少女の死まで 他二篇 (あるしょうじょのしまで) von 室生 犀星 (むろうさいせい) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 113.554 Zeichen · 228 Bildschirme
」と母親の方へ小さい顔を向けた。お母さんは微笑しながら、
「おじさんに笑われないように勉強して上手におてがみを書かなければいけません。」
「え。妾、きっと書いてよ。あなたからも下さるでしょう。」
「あげますとも。」
私たちは、くつろいでふじ子を中心にした晩餐を終えた。私は間もなく別れをつげて、室にかえった。
車が来た。
門のところにふじ子とその弟、お母さん等が出ていて、私の寂しい旅を見送ってくれた。
母なるひとに、
「ではこれで失礼します。御主人によろしく言って下さい。」
「おからだを大切になさいまし。」
母なるひとも私の苦しかった生活をいたいたしそうに見送るような表情をして、ふじ子の肩に手を置いた。
「ふじ子さん。あなたにもたいへんお世話になりましたね。」と言いながら私は車に乗った。
「おじさん。来年また遊びましょうね。」
「あ、あそびましょうね。さよなら。」
「さよなら。」
私達は別れた。さっきから快活だったふじ子は車がうごくと少女らしく涙ぐんで、いきなり母親の帯のところに顔をおしつけた。ひくい忍び泣きをあげながら――。
明治四十四年十月三日、私は第一回の都落ちをした。