Japanisch lesen

Japanische Klassiker mit Furigana

ja-reading.com

Lesen Sie japanische Klassiker online mit Furigana. Filtern Sie nach JLPT-Niveau, tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung und übersetzen Sie einen Satz.

しょうきょく

「探偵クラブ」傑作選 幻の探偵雑誌8

橋本 五郎

Lesen Sie 「探偵クラブ」傑作選 幻の探偵雑誌8 (しょうきょく) von 橋本 五郎 (はしもとごろう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 5.896 Zeichen · 12 Bildschirme

Aozora Bunko

答えたものの、田中君は、相手があまりに事もなげにしているのが返って不思議に思われたので、

「実は」

とついに昨夜の話をしたのであるが、

「そう、そう仰有れば私もたしかに聞きましたよ。しかし、まさか人殺では……」

と相手は真剣になって来ないのである。田中君は、その相手の変にでっぷりと肥えた身体や顔のあたりにチラと疑問の眼を向けた。――これほど条件は揃っているのだ、そしてその条件だけは受け容れて置きながら、何故彼はその結果には肯定が出来ないのだろう?

「ひょっとすると……いや、よし、相手がそれならそれで、僕は必ず何かの手掛を発見してやるぞ」

朝になって気の強くなっている田中君である。昼近くまでかかって屋敷の周囲を実に微細に捜査した。だが、前日と変っている点は、門のあたりの溝近くに一ヶ所、荷車でも落ち込んだかと思う大きな轍の穴が出来ているばかりで、他に何の特別なものも発見は出来なかった。

あの向いの主人は、たしか職業が知れないとか聞いている。以前は上海あたりをウロついていたとかの噂もある。ひょっとすると、あいつ、昨日の暴風雨の晩に訪ねて来た古い悪仲間を、暴を幸いに殺っつけて、そして朝までに死体の始末をちゃんとしたのではあるまいか。