Japanische Klassiker mit Furigana
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ほうろうのやど
放浪の宿
里村 欣三
Lesen Sie 放浪の宿 (ほうろうのやど) von 里村 欣三 (さとむらきんぞう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 14.066 Zeichen · 28 Bildschirme
「ふ、ふん……」
支那服がお坊さんの袖の下でくすりと笑った。
「まるで餓鬼畜生だ。飼犬を殺して、あろうことか、この尊い仏地を穢して煮て喰おうというのだ。浅間しい畜生道の仕業だ。お前等のような堕地獄の徒輩は一時も、ここに置く訳には行かん!」
黙って骨をはずしていた黒眼鏡が、
「喧ましいわ! 糞たれ坊主!」と、ふいに喚めき唸めいたかと思うと、握っていた骨を土間に叩きつけた。「糞、豚小屋みたいな空屋に俺たちを叩き込んで置いて、手前は寄附を強請って世の中の人間を瞞しこんでいるんじあねえか。利いた風な口を利くねえ!」
「よし。貴様、よく覚えていろ! このわしの手に仕末ができなければ、ちゃんと警官がある。きっと追払ってくれる。追い出さずに我慢がなるものか!」
「おお! やって見ろ! 野良犬の替わりに、こんどは手前の番だ! 濡板に這いつくばって後悔するな」
血だらけの短刀が、支那服の手からさっと閃めいて、壁の腰板をぐさっと突通した。坊主はぴょこっと頭をかがめたかと思うと、そのまま逃げ出してしまった。後も見ずに!
坊主は、その後再び無精髭を覗けなかった。
酒場の主人は『赤』